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リノベーションで人気を集めているリノリウムとは

リノベーションコラム

近年は、環境問題や健康問題が話題になっており、天然成分で構成される「リノリウム」のことを耳にしたことがある方もいるかと思います。
住宅では、一般的にクッションフロアや塩ビタイルが使用されてきましたが、これら建材の可塑剤などに使われる健康を阻害する可能性が高い物質による健康問題や、環境問題が注目されるようになり、「リノリウム」がリノベーションで人気を集めています。

今回は、「リノリウム」の特徴や歴史についてメリット・デメリットとともに、詳しく解説します。
リノベーションを検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

今人気を集めているリノリウムとは?

「リノリウム」とは、さまざまな植物を混ぜた天然成分の建材です。主に床材として使われますが、家具の仕上げ材にも活用されています。

リノリウムは、主に6種類の天然素材から作られています。

亜麻仁油亜麻の種子から抽出された油
石灰岩炭酸カルシウムを含んだ堆積岩
天然色素植物などの天然由来成分の着色料
コルク粉コルクガシの樹皮のコルク組織を加工したもの
木粉木材を加工したときに発生するもの
松ヤニマツ科マツ属の木から得られる樹脂

リノリウムの生産工程は、これらの天然素材を混ぜ合わせて、麻布に着圧し、強度を増します。
その後、収縮を防ぐために長時間、乾燥させます。

使用箇所は、床材としてはもちろん、テーブルや椅子など家具の仕上げ材としても使用されます。
カラーバリエーションや柄の種類が豊富なので、理想のイメージに合うものを選択できます。

リノベーションを行うにあたって、「ナチュラルなお部屋にしたい」、「シンプルなお部屋にしたい」など理想のイメージをすでにお持ちの方は、自分のお気に入りを見つけることができるでしょう。

▼リノベーションにかかる費用や相場はこちら
>>リノベーションにかかる費用、相場はどのくらい?

リノリウムが再注目されるようになった理由

最近注目されるようになったリノリウムですが、実はかなり以前に開発された素材です。

今から約160年以上前の1860年代にイギリスがリノリウムを開発し、製造が始まりました。
日本では、1920年頃に東洋リノリューム株式会社が最初にリノリウムを製造したことがきっかけとなり、日本各地に広まりました。
導入当初はリノリウムを製造する会社が多かったのですが、高度経済成長期に入り、より安価で簡易的に製造できるポリ塩化ビニル製の床材が開発され、リノリウムの生産量は減っていきました。

ではなぜ、製造に時間やコストがかかるリノリウムが、再注目されているのでしょうか。
その理由は、昨今、世界中で環境問題や健康問題が話題になっており、自然にも人間の身体にも優しい素材であるためです。
脱炭素社会を目指して環境に対する意識が向上したことに加え、アレルギー疾患対策としてリノリウムを利用する人が増えています。

▼リノリウムの概要はこちら
>>ウィキペディア「リノリウム」

床材にリノリウムを使うメリット

それでは、リノリウムの魅力を4つご紹介します。

  1. 身体に優しい
  2. 菌の増殖を防ぐ
  3. 長持ちする
  4. 廃棄するとき環境に優しい

身体に優しい

リノリウムの魅力の2つ目は、身体に優しい点です。
リノリウムは天然素材から作られた素材のため、シックハウス症候群を引き起こす心配を抑えられます。
また、天然素材で静電気が起きにくいことから、床材に使用するとホコリやアレルゲンが留まりにくいという特長もあります
ホコリによるアレルギーでお困りの方はぜひリノリウムを検討してみてください。

菌の増殖を防ぐ

リノリウムの魅力の3つ目は、菌の増殖を防げる点です。
リノリウムには、亜麻仁油が含まれています。
この亜麻仁油が複数の菌やウイルスに対する抗菌作用を発揮し、リノリウムを採用した床は清潔を保ちやすいことが実証されています。

そのため、リノリウムは食中毒対策や室内感染対策が必要となる、保育園や幼稚園、学校といった教育施設や、老人ホームなどの介護施設、医療施設の床材として使用されることがあります。
また、一般家庭においても感染対策が重要視されている現代に向いている商品と言えるでしょう。
その他にも、アンモニア臭の脱臭効果にも期待できるため、トイレの床材としての採用もおすすめです。

長持ちする

リノリウムの魅力の4つ目は、長持ちする点です。
複合フローリングの寿命は15年であり、フロアタイルは10年と言われていることに対し、リノリウムの寿命は35年となっています。
重たい家具を置いて傷や凹みができてしまったという経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
リノリウムは、耐久性が高いため、傷やへこみがつきにくい特徴があります。

廃棄するとき環境に優しい

リノリウムの魅力の1つ目は、廃棄するとき環境に優しい点です。
リノリウムは廃棄のために燃やした時、水と二酸化炭素のみが発生する物質で有害ガスなどが発生しません。
また、生物分解性があるので、焼却以外の廃棄法方として堆肥化処理もできます

床材にリノリウムを使うデメリット

上記ではリノリウムのメリットをご紹介しましたが、もちろんデメリットもあります。

リノリウムを採用後に、こんなはずじゃなかったと後悔しないように、デメリットもご紹介します。

・独特な匂い
・値段が高い

独特な匂い

リノリウムの構成材料である亜麻仁油は独特な匂いがします。
そのため、匂いに敏感な方は不快に感じる可能性があります。
独特な匂いですが、健康に害悪を及ぼすことはないため安心してください。

このデメリットへの対処法は、リノリウムを活用する前に、サンプルなどでニオイを確認しておくことです。
また、リノベーションしたばかりの頃は、リノリウムがきつく臭うかもしれませんが、時間の経過とともに消えていくことから、こまめに換気をするのも対処法の1つです。

値段が高い

上記で解説したように、リノリウムの製造には手間がかかるので、ポリ塩化ビニル製の床材や他の床材と比較すると費用が高くなりがちです。

施工範囲によっても大きな差があるため、一概には言えませんが、既存の床にリノリウムを貼る場合は、1㎡あたり1,500円から3,000円程度が相場です。
既存の床を剥がしてリノリウムをはり替える場合の相場は1㎡あたり4,000円から6,000円となるでしょう。
それと比較して、一般的なポリ塩化ビニル製の床材を張り替える場合は1㎡あたり5,000円が相場です。

また、家具などに使われるファニチャーリノリウムという製品がありますが、こちらは1㎡あたり7,000円くらいです。

これらの金額は、材料費だけの金額であり、実際に施工するとなると解体費や施工費が加算されます。

このデメリットへの対処法は、あらかじめ予算を決めることで後悔なくリノリウムの活用ができるでしょう。
また、リノベーションでリノリウムを活用した床材をはれる専門業者は限られているので、業者に問い合わせることをおすすめします。

Moyo-Reno×Homeでは、リノリウムを使った家具のご提案もいたしております。

お気軽にお問合せください。

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リノリウムが使用される場所はどこ?

リノリウムは、実は多くの人が利用する施設で使われています。すでに見かけたことがある方が多いと思われます。

リノリウムが活用されている施設は、病院などの医療施設や老人ホームなどの介護施設、飲食スペースや教育施設、バレエ教室など多岐に渡ります。

最近では、キッチンや洗面所、浴室、子供部屋など一般住宅でも活用されるケースも増えてきています。
リノリウムは自然に優しい素材だけで作られているだけではなく、傷もつきにくいので、小さなお子様がいらっしゃるご家庭でも安心してお使いいただけます。
シックハウス症候群やアレルギーでお困りのお子様にも向いている床材と言えるでしょう。

他には、キッチンで使用することもおすすめです。
リノリウムは天然素材で構成されていますが、発火点の温度が高く燃えにくい性質があります。
火災の発生リスクの高いキッチンに取り入れることで延焼しにくくなるメリットがあります。

また、リノリウムは滑りにくい床材のため、浴室や洗面所に向いています。

▼キッチンのリノベーションについてはこちら
>> キッチンリノベーションの種類、費用、ポイント完全解説!

床材にリノリウムを使用する際の注意点

自然にも人間の身体にも優しいリノリウムですが、使用するにあたっていくつか注意点があります。

長く綺麗にリノリウムの製品を使うためのコツとともに解説します。

中性洗剤や中性のワックスを使用する

リノリウムはアルカリ性に弱く、アルカリ性の洗剤やワックスを使用してしまうと、傷んだり変色したりする恐れがあります。
基本的に、リノリウムの手入れは乾拭きで行います。
どうしても気になる汚れがついた場合は中性洗剤で水拭きの後乾拭きすることで綺麗に保つことができるでしょう。
定期的なメンテナンスとしてワックスをかける場合にも注意が必要です。
リノリウムの床材にアルカリ性のワックスを使用してしまうと、綺麗に保つためにかけたワックスによって、劣化が進んでしまう可能性があります。
ワックスや洗剤を利用する際は、必ず中性洗剤を使用するようにしてください。

直射日光の当たる場所での使用は避ける

リノリウムは紫外線に弱いため、直射日光が当たる場所での使用は変色の恐れがあります。
対処法として、UVカット機能が施されたカーテンの使用やUVカット効果のあるフィルムを窓に貼るなどの対策をしましょう。
リノベーションをするときには、なるべく直射日光の当たらない場所にリノリウムを配置し、直射日光が当たる場所にはポリ塩化ビニル製の床材などを使用して、床材の種類をはり分けてもオシャレです。

まとめ

最近、再注目されている「リノリウム」の特徴や注意点についてお伝えしました。
リノベーションでリノリウムを使用する場合はメリットやデメリットを理解した上でどの場所に使うかを決められると後悔の少ないリノベーションが行えるのではないでしょうか。
健康問題や環境問題に配慮をしたい方にはリノリウムを利用したリノベーションがおすすめです。

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